2005年12月27日

紫色の空

空気が澄んでくるこの季節。
私の働くこの町の空では、夕方に時々紫の空を見る。

仕事が終わるころに西の空に冷たい空気とともに
丸い雲と空がやや紫がかって見える。

いよいよ試験が一週間後に迫った。
緊張感よりも、うれしい気持ちで胸がいっぱいになるのはどうしてだろう。

まったくの自己流ではじめた沖縄民謡と三線。
だれの教えもなく、気がついたら、会社で「かんから三線」を作って手にしていた。
工場に落ちている角材と、ゴミ捨て場にあったお菓子のカンカン。
知り合いがくれた釣り糸。
機械で削り組み立てる。
音が出ない。
なんとか工夫する。
音が出た!!
そのときの嬉しさ。

三線の姿を想像しながら出来上がったかんからを持って
沖縄料理屋さんを回り、へたくそな歌を聴いてもらっていた。

「がんばってね」
沖縄の方は、苦虫をかんだような顔をしながらも、手作りの三線を持って歌うものに
やさしい言葉とはげましを忘れなかった。

その冬、三線が欲しくなった。
気がつくと、「宅急便です」と三線が届けられた。
私の性格は、目的が決まるとその過程は記憶に残らない回路でできているらしい(笑)

ケースを開けたときの蛇の皮の匂いはいまでも忘れない。こんなことはよく覚えている。

そして、三線を持って出かけた近くの公園。
へたくそな谷茶前を歌っていた。

その背景には紫の空があったのを覚えている。

それを見ると一昔前の、三線をはじめたばかりの自分が見えるような気になるのだ。

そして、しばらくして河原が私の三線練習場になる。
熱い夏の夕方。涼しい風をいただきながら三線を引き、ビールを飲む。

それから、紫色の空を何回見ただろう。

空の色も空気の味も変わらない。
三線の音色も歌も変わっていないかもしれない。

それでもあと一週間後
私は沖縄で歌っているだろう。
ないごともなかったように。

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posted by たるー at 22:25| 広島 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
書き込み始めてかも・・・。お邪魔します。
3歳から、ずっとピアノをやってます。ずっと、ずっと。厳しく、本格的でした。誰にやれと言われたわけではない、自分でやると決めたことって、投げ出すのも自由な分、続けていくうちにとても強くなれますね。私は、このピアニスト精神に育てられました。財産ですね。きっとたるーさんも財産、三線魂を大切にされているんだと思います。
自分と何かを約束したときの匂い、温度。覚えています。それに何だか共感して書き込んでみました。
Hope to have a safe flight to Okinawa and good luck!
Posted by mamemama at 2005年12月30日 22:10
mamemamaさん
そうなんだ。私もピアニスト(今じゃ弾けない)ですっ。
音楽と人生がつながっているようで嬉しいときもあるし、いやだ。。。と思うときもあったなあ。

今日甑で手紙をみましたよ。
マスター、自慢げに見せてくれました。

そちらでの勉強、済んだらはやく顔みせてくださいな。
三線教室はどうですか?

Posted by たるー at 2006年01月11日 23:35
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